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忠誠心 1
2007/05/11(Fri)


前に【身分】と言う記事で書いたことがあるのだけど、私の中にM気質はあっても

相手に対する忠誠心というモノがほとんどないようだ。

ギヴ&テイク的な「仁義」はあるのだが、尽くしたいとか相手の満足感が

自分の満足感にダイレクトに繋がると言う感性が備わっていない。

犬猫で表現するのもどうかと思うが、忠誠心いっぱいのワンコではなく

行動基準が自分!と言うニャンコ気質。

エサをくれる人には一応サービス(懐く)するけど、しつこくされると

とたんにプイっと背中を向けて出て行ってしまう。

その上放浪クセまである野良猫だから始末に負えない(^^;


が、かつてこの野良猫がボス猫に仕えたことがある。

もちろん「ご主人様」でも「主様」でもなく「ボス」、いわゆる上司というヤツだ。

ことビジネスの話になると一転なぜか秘書やアシスタント業務など仕える職種が

多かった。

とは言え私のことなので、秘書と言いながら友人には平気で「ベビーシッター」ならぬ

「ジジイ・シッター」なんてうそぶいていたけど。

M&Aの企業合併に伴い転職した先の上司がその「ボス猫」だった。

一匹オオカミで、徹底主義者で、頑固者で、変わり者で、でも夕方になると

なぜか開放的になって、飲みに行くのが好きで、ラテン女が好きな人だった。

もともといた女性社員には不評なタイプの上司だったと、随分後になってから

お酒の席でこっそりと聞かされた。

10数年前の話なので、当時の年配男性上司にはPCが使えない人が多く

文章の清書(ワープロ打ち)のためだけにアシスタントを持つ管理職も

珍しくはなかった時代。

走り書きのような解読困難な下書きをA4サイズで十数枚寄越し

タイプアップした文書も何度も何度も推敲してはやり直させる。

決してアシスタントの意見など聞かずワンマンにものごとを進める人だった。

私が転職してその上司の元に着くことになって、周りの女性社員は心配半分

興味半分で見守っていたらしい。

私はと言うと、前の直属上司が文字通りお爺さんで私の仕事の半分が

すぐに帰りたがる上司に段取り良く仕事をさせることだった。

とにかく、ちょっと目を離すと客先を回るなんて、ていのいいことを言っては

ご自慢のベンツでとっとと帰ろうとするのを無理矢理引きずり下ろして書類に

サインをさせるなど。他にも薬の時間管理や健康茶を入れて飲ませるとか。

まさに「ジジイ・シッター」だったのだ。

ところが新しく配属された上司は仕事大好き。

通勤時間が1時間半もかかるのに朝1時間も前から出社し、せっせと私に渡す

下書きを書きまくっていた。

飴や鞭を使わなくても馬車馬のようにどんどん仕事をこなす上司、私にとっては

なんて楽なポジションだろうと、彼のよこす雑務をどんどんこなしていく毎日。

賑やかなマーケティング・セクションの中でひたすら黙々と仕事をするコンビは

端から見ても少し異様だったかもしれない。

そうこうするうちに私も彼のくせに慣れ、また上司も私の扱いに慣れ

お互いあうんの呼吸でものごとを進められるようになると、頑固で

偏屈と言われた性格が、実は教えたがりで人懐つっこい人間だと判ってくる。

単に、女性に正面から文句を言われるのが嫌いなだけな性格だったのだろう。

どうしても外資系企業に働く社員は男女関係なく自己主張をしっかり持つのが

当たり前、日本企業からの転職組の彼には堪えられなかったのかもしれない。

私に対しては意外と「聞く耳」もあり、長年培った経験や知識も惜しみな

く与えてくれた。

ますますコンビネーションの絆が強くなり、少し回りから孤立するように

なったころ、ある事件が起きて私は自分の忠誠心を実感することとなった。


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