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季節風 |
2010/04/20(Tue)
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フランス南部、コート・デュ・ローヌを吹き抜けるミストラルは冬から早春にかけての季節風。 私の元に吹いてくるのは春の訪れを迎えてからの、少々やっかいな季節風だ。 季節風の名は【愛人A氏】、永久欠番のいまや幻のような存在。 その幻が季節風に乗ってまた現れたのだ。 お元気ですか? 失って改めて、熟桃の大切さがわかりました。 今、新しい仕事に向けての資格を取るために勉強してます。 熟桃にむしょうに会いたい 一からやり直し出来ないか? 返信待ってます。 失ってって、お互い納得づくの話だったのに なにやら悲恋な話に摩り替わっているのはなぜだろう。 一年前にふらりとメールを寄こし、また忘れた頃に送ってくるのも変な話。 どうやら転職のストレスが溜まっているようだけど 「私に会いたい」のではなく現実逃避したいだけなのだろう。 一から新しく相手を探すよりはよっぽど楽だろうし。 私は氏の性癖(スパンキング)も嗜好(ハードSEX)も熟知している。 「私の大切さがわかった」のではなく「手軽さを思い出した」のか。 私との都合の良いシーンだけを心の中で何度も巻き戻し 浸るように反芻しているのかもしれない。 それにしても、もう少しましな誘い方はなかったのか。 いずれにせよ、あの頃の熟桃はもう存在しない。 今ここにいるのは、今の熟桃。 季節風は季節が過ぎれば収まるもの。 季節風とともに幻もまた、消えてしまうだろう。 桜も終わり、そろそろ新緑の季節が始まるね。 |
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