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仮想彼氏 |
2010/03/15(Mon)
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少しハードな情事の後、気だるいカラダを彼の胸にもたれかけたまま 煙草をくゆらす彼の顔を見上げ、物憂げな口調で問いかけた。 「前に、行くならとことん行けって言った話、覚えてる?」 私の唐突な切り口に別段驚くこともなく、さも当たり前と言う顔で彼は答えた。 「うん、覚えてるよ。」 もし、私が他の男に対して心が揺れてしまったのなら 自分かその相手か、どちらが本当に欲しいのか判るまで とことん試して確認すればいい。 それが、彼のスタンスだと聞かされていた。 では、確認するため相手の元に留まるのはいいとして 帰ってきた私を受け入れることがはたしてできるのだろうか? 「できるよ。」 これまた事も無げに答えた。 相手といろいろあったんだよ?それは気にならないのか? 「帰ってくる、と言うのが大事だからね。」 ....うーん...わかるような、わからないような。 「あ、でも2-3年経って他に気の合う相手が見つかってしまった時はごめんねだけど。」 に、...2-3年って...そんなに待てるものなのか! とことんって言ってもせいぜい1-2ヶ月、長くたって半年くらいだと思ってたよ。 机上論とはいえ、その感覚の違いに頭がくらくらしてくる。 「で、今までに実際そういうことってあったの?」 念のため、実経験に基づく話なのかどうか聞いてみた。 「いや、ない。」 やっぱり、ね。 「あ、仮想彼氏がいたことがあったけど。」 はい? 仮想彼氏?なんじゃそりゃ。 「相手もいないのに、いかにも他の男がいるような素振りをされたこと、ある。」 あぁあ!なるほど。 それで仮想彼氏、ね。 「俺の気を引きたかったんだと思うけど、ね。」 はいはい、この野暮天相手に焦れた彼女がせいいっぱいアピールしたということか。 「あははは、可愛いじゃない。」 なんだかその彼女のいじらしさが想像できて、つい笑ってしまった。 「いかにもって感じでアピールしてきたんでしょ?」 「俺はこんなだし、気持ちもわかるけど。はっきり、もっと逢いたいと言えばいいのにね。」 頷きながら彼が答えた。 その返事に確かにねと納得しながら調子に乗ってしゃべる。 「ほんとに(浮気)してたら、そんなことおくびにも出す訳ないしね♪」 ....あ? .....それって、自分のことじゃん! はたと気づいて慌てて口元を押さえた。 やっばー......と思って彼の表情を見ると、その通りだねと頷いていた。 良かった、素直な性格な彼で。 取り繕うように口を開いた。 「私も仮想彼氏でも作らないとだめかな?」 ちょっと悪戯っぽく彼の目を見て問うてみた。 「いや、何事もない、穏やかな方がいいよ!」 珍しく彼が強く主張した。 そう、そうだよね。 そんなことで気を引くことはないよ。 わざわざ波風立てるつもりもない。 それに、仮想なんかじゃ、腹は膨れないから、ね。 |
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