スポンサーサイト |
--/--/--(--)
|
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。 新しい記事を書く事で広告が消せます。 |
夜桜 |
2009/04/04(Sat)
|
この頃の花冷えのおかげか通年より早かった開花にもかかわらずゆっくりとしたペースで 二分咲き、五分咲きとなり、ようやくうちの周りの桜も満開になってきた。 ちょうど今週末あたりが見頃だが、彼の仕事の関係でどうしても都合がつかない。 今年はばらばらに楽しむことになりそうだと、諦めていたところに彼からメールが届いた。 「夜遅くになるけど、一緒に桜を見に行こう」 翌日も早朝から仕事が入っているというのに、珍しくそんなメールをよこしたのは 桜にそれだけの魅力があるということか。 タイミング良く私の方にも月の使者がドンピシャでやってきたところ 純粋に花見を楽しむのも悪くない。 先に部屋に戻り、簡単にコーヒーの用意をして待っていると 深夜10時を回った頃にスーツ姿の彼がやってきた。 カジュアルもいいけどスーツ姿はなんだか色っぽくっていいな、なんて一人でほくそ笑んでいたら 「はい、これ」と小さな紙袋を手渡された。 おや?これまた珍しいこともあるもんだと思ったが、わざと意地悪く聞き返した。 ちょっと照れたように「(バレンタインの)お返しだよ」という彼にありがとうのキスをする。 さっそくその桜色したケーキを肴にコーヒーを飲みながらまったりと過ごす。 この前飲んだスピリタスの話は彼も興味があったらしく、いろいろ質問されたり。 アルコールなしで他愛ないことを話すのは少々気恥ずかしい気もするが、それもまたよし。 あんまりのんびりしていては本来の目的がはたせないと、二人で腰をあげた。 軽く指をからめ、人通りのない道を川沿の桜が待つエリアまでてくてくと歩いていく。 途中で馴染みの野良猫たちに挨拶しながら川の欄干に着くと ひっそりと、けれど妖しいたたずまいで桜たちが迎えてくれた。 住宅地の中、とくにライトアップなどされていないその姿は、本来の自然な姿なのかもしれない。 それでも、しっかりとその存在感を漆黒の川面に主張している。 二人で欄干にもたれかかり、ひとしきり夜桜を眺め堪能すると 桜を背にし駅に向かった。 いつもは通らない道を選び、静かな街並みを歩き少し遠回りをして。 いつもと反対側の改札の前で私の手を少しだけ強く握ると 「帰るよ」と言ってそっと手を離した。 互いに何度か振り返り、階段奥に消えてゆく彼を確認すると私も帰途についた。 さて、ひとり寝酒にロゼワインでも飲むとするか。 |
コメントの投稿 |
|
|
トラックバック |
トラックバックURL
→http://peach1999.blog.2nt.com/tb.php/532-eea48016 |
| メイン |