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美酒 |
2008/12/05(Fri)
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時間が無かった。 それでも逢いたかった。 出張と出張の、ほんのわずかの隙間のような時間。 それをぬって彼は部屋にやってきた。 なんの準備もできていなかった部屋を嵐のような勢いで片付け 白いタオル地のガウンをはおり、濡れ髪をハンドタオルで巻き上げ彼を迎入れる。 髪を乾かす間だけ、イタリアの赤が注がれたグラスを片手に大人しくしていたが 肴を準備するためにガウンから部屋着に着替えようとしたとたん 「だめ、そのままの方がいい」 こし掛けていたベッドに押し倒されるようになだれ込んだ。 あまりの勢いにサイドテーブルにおいたグラスの中に赤い波が起こる。 仰向けに倒され、軽くはだけたガウンのすそを払うように足の間に彼が割り込んできた。 かぶさるように圧し掛かられ唇から首筋、胸へと彼の頭が移動していく。 甘く乳首を噛まれ、反対側も捻りあげられ慌てて手の甲を口にあてる。 彼はそのまま下がり続け、私の内腿に両手を差し入れ持ち上げるように容赦なくぐっと広げた。 彼のぬめるような舌の感触を敏感な場所に感じながら、これじゃいつもと逆だよと思う。 彼は決して指を中に埋めたりはしないのに、執拗な舌の責めだけで 中かからどんどん溢れだし、何度か軽く逝ってしまう。 そんな私の姿に満足したのか、彼は一息つくようにサイドテーブルのグラスを手にし 喉をならして何口か飲むと、もう一度口に含み少々ぐったりした感じで横たわる私に 口移しでワインを流し込んだ。 飲み込みきれず唇の端から零れるワインを吸い取るようにキスをし、またグラスに口を付ける。 まるで親鳥がヒナに餌を与えるように、何度も何度も彼は繰り返し 私は与えられるまま唇を差し出した。 注ぎ込まれる美酒が染みこむにつれ、ゆっくりと時計の針が止まった。 |
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